ロシアフィギュアスケートのサンボ70とはどんなスクールなんですか?
フィギュアコーチはエテリ・トゥトベリーゼさん以外にもたくさんいるのでしょうか?
ロシアフィギュアスケートの有力選手を多く輩出するサンボ70とはどんな場所なのでしょうか。
- サンボ70とは学校?どんな施設?
- サンボ70の場所や学費
- サンボ70での練習時間や食事内容
- サンボ70のフィギュアスケートコーチや所属選手
北京オリンピックではカミラ・ワリエワ選手がドーピングで騒がれたことから、所属する『サンボ70』とはどんな場所か気になったので、学費や食事、コーチなどについて調べてみました。
この記事では、サンボ70のフィギュアスケートについて主に解説しています。
サンボ70とは?サンボ70の場所や学費を紹介
サンボ70とは何か、どんな場所なのかは以下の通りです。
- フィギュアスケートだけでなく様々なスポーツのアスリート養成学校
- 柔道や陸上、水泳、空手、ボウリングなど26種類のスポーツトレーニングと学校教育を兼ね備えている
- 小学校から高校まで11年間、数学や化学、歴史、ロシア文学などの一般授業も受ける
- 天才アスリートを生み出すために素質ある超エリートしか通えない
- もともとはロシアの国技であるサンボを強化するための施設だった
- 1970年設立
- 場所はモスクワ
エリートが通う学校の学費は、なんと無料!
国営だからタダとのこと!
お金がなくても才能さえあれば入れるので、才能ある子をかき集め伸ばす方針のようです!
ここからは、サンボ70にあるフィギュアスケート部門に限って説明しますね!
フィギュアスケートの指導料もリンク使用料も無料なので、毎年すごい数の入学希望者が殺到するようですが、入学できるのは毎年200名くらいの生徒だそうですよ。
タダなので入学条件には本人の技能や身体能力だけでなく、親の体型や身体能力まで選考の対象になるそうです!
本人がいくら頑張っていようが、親がいくらお金持ちであろうが、親の身体能力までチャックされるとは!
エリート中のエリートを育てる感じですね。
ただ、練習が厳しく基準に満たないと退学。
2年目に残るのは50名ほどで、ジュニア選手になれるのはさらに少ないとか。
サンボ70の『フルスタリヌィ』というフィギュアスケート部門のリンクの場所は、モスクワの南西で中心部から車で40分ほどのところにあります。
1階
- スケートリンク
- 受付
- ロビー
- 売店
- スタッフルーム
- ロッカールーム
地下
- バレエやダンス用のトレーニングルーム3部屋
- ウエイトトレーニングルーム
- 更衣室
- 医務室
スケートリンクはいたって普通のスケート練習場とのことですが、地下にバレエ練習ができる部屋などがあるのはふつうではないですよね。
両親はリンクサイドや2階席で練習を見ることができ、テーブル席でお茶を飲んで待つこともできるそうです。
サンボ70のフィギュアスケートコーチや所属選手
鉄の女──。「サンボ70」でも生徒たちを厳しく指導するトゥトベリーゼには、いつしかそんなあだ名が付いた。金メダリストのザギトワでさえ、3年前、加入試験でトゥトベリーゼの目にとまらず、故郷のイジェフスクに帰ったこともある。https://t.co/zuaGPjm37U pic.twitter.com/BIxQAhcQ50
— クーリエ・ジャポン (@CourrierJapon) February 25, 2018
サンボ70のフィギュアスケートのコーチはたくさんいると思いますが、調べて分かったコーチは以下です。
- エテリ・トゥトベリーゼ(実質No.1)
- エドゥアルド・アクショーノフ(実質No.2)
- セルゲイ・ロザノフ
- セルゲイ・デュダコフ(ジャンプ指導)
- ダニイル・グレイヘンガウス(振付&コーチ)
ちなみに日本の宇野昌磨選手はエテリ・トゥトベリーゼコーチの元で2019年に合宿練習を行ないましたよ。
所属選手はものすごい数なので、ここではエテリ・トゥトベリーゼコーチの教え子を紹介したいと思います。
2022年2月時点の教え子です。
- エフゲニア・メドベージェワ(2007年〜2018年、2020年〜)
- モリス・クヴィテラシヴィリ(2009年〜)
- アンナ・シェルバコワ(2013年〜)
- アリーナ・ザギトワ(2015年〜)
- アレクサンドラ・トゥルソワ(2016年〜2020年、2021年〜)
- アリョーナ・コストルナヤ(2017年〜2020年、 2021年〜)
- マイア・フロミフ(2017年〜)
- ソフィア・アカチエワ(2017年〜)
- カミラ・ワリエワ(2018年〜)
- ダリア・ウサチョワ(2018年〜)
- アリョーナ・カニシェワ(2019年〜)
2022年時点ではものずごい選手層です!
北京オリンピックや平昌オリンピックのメダリストなど、フィギュアの大会でよく取り上げられる選手ばかり!
元教え子は以下です。
- ユリア・リプニツカヤ(2009年 – 2015年)
- エリザヴェート・トゥルシンバエワ(2012年 – 2013年、2018年 – 2021年)
- ポリーナ・ツルスカヤ(2013年 – 2018年)
- アナスタシア・タラカノワ(2017年 – 2018年)
- ダリア・パネンコワ(2016年 – 2018年)
- ベロニカ・ジリナ (2018年 – 2020年)
- セラフィマ・サハノヴィッチ(2014年 – 2015年)
- ポリーナ・シェレペン(2000年 -2012年)
- ポリーナ・コロベイニコワ(1999年 – 2000年)
- アディアン・ピトキーエフ(2010年 – 2016年)
- セルゲイ・ボロノフ(2013年 – 2016年)
- イリヤ・スキルダ(2014年 – 2018年)
- アレクセイ・エロホフ(2011年 – 2020年)
リプニツカヤ選手、ツルスカヤ選手など有名な選手やグランプリ出場経験の実力ある選手がずらっと。すごいですね。
サンボ70での練習時間や食事など
サンボ70でのフィギュアスケートの練習時間は1日8時間とのこと。
それを毎日で、大会から帰国した翌日も練習。
一般教養の授業も少なからず日々受けていますからかなり大変な毎日でしょう。
エテリ・トゥトベリーゼコーチの練習は過酷です。
- 疲れていようが気分がのらなくも毎日ノンストップの練習
- 練習で150%、本番で110%の力を発揮しなければならない。要は限界を超えて毎日練習
- 毎日化粧をして美しさを最高に保つ
- 鏡に向かって綺麗な自分をイメージ
- 普段試合では組み込まれない『3回転ジャンプ3連続』を練習させる
- 選手同士を競い合わせる
- 大会中は食事をさせない。プロテインシェイクのみ。
基本的な陸用トレーニングは以下です。
- 柔軟運動
- バレエレッスン(専属バレエ講師がいる)
- リンク使わず陸上で3回転ジャンプの練習
- 陸上トレーニングだけで2時間半以上
リンクスケートでの練習内容。
- 基礎練習
- ジャンプ練習を90分間休むことなく続ける
選手の多くは毎日涙が出るほどの鬼レッスンに耐えているそうですよ。
大会で優勝するためとはいえ、毎日涙はつらいですね…。
少しでも日々楽しみがあればいいのですが。
選手の食事に関しては、エテリ・トゥトベリーゼコーチが直接指導しているわけではなく、『エテリ組』のチームスタッフが食事管理をしています。
かなり厳しいようで、ジャンプを飛ぶために体重を落としたり、水を飲む量まで管理されているそうです。
あまりにも厳しい食事制限で、”ロシアの妖精”と呼ばれたユリア・リプニツカヤ選手は拒食症になってしまった事例もあります。
水の量の制限は、日本の昭和時代のスポ根トレーニングに近いものがありますね。
ロシア(ROC)は細い選手が多いですが、練習が過酷なので食事がちょっと心配ですね。
あまりにも過酷でフィギュアスケートの選手生命が短すぎるのが懸念されていますね。
【まとめ】サンボ70のコーチや学費、練習など
ロシア(ROC)のエリートスポーツ養成学校『サンボ70』について紹介してきました。
才能のある子供だけが入れるスポーツ専門のエリート学校です。
国営で無料ですが、その代わり厳しい練習に日々励まなければいけないので相当な覚悟が必要でしょう。
一般教養の勉強もしなければいけないので本当に大変ですよね。
北京オリンピックでは『サンボ70』のエテリ・トゥトベリーゼコーチの教え子のフィギュアスケート選手が大活躍しました!
ですが、その一方でワリエワ選手のドーピング問題も…
ワリエワ選手はフリーの演技でわざと失敗したという疑いもありますが。
北京オリンピック2022の様々な疑惑についてまとめた記事もよかったらどうぞ。